恩恵


私はメンタルが弱いと思う。

少々のことですぐに落ち込むし、いくら自分で自信を持って決意したことであっても理解を得られなければ簡単にブレる。


私は身体が弱いと思う。

寝不足だとすぐに肌が荒れるし、いつもと少し違うことをしただけで疲れを感じやすくなる。


心も身体も弱いから、ヨガに興味を持ったのだと思う。

そして、その弱さが今もなお無くならないからこそ、十数年という決して短くはない年月もの間、ヨガを続けられているのだと思う。


でも。

ヨガを続けるほどに、'強さ'''鈍さ''を勘違いしていたことに気づかされる。


心も身体も弱い私は強くなりたくてヨガをしてきたけれど、続けても変わらず'弱さ''は無くならない。

どうやら、その理解こそが'強さ''であることを、だんだんわかってきた気がする。


逆に、弱さを無くそうとすることは強さを生み出すのとは違い、ただ鈍くなっていくに過ぎないことも、だんだんわかってきた気がする。


弱さを支えることが最大の強さであるということ。

強さは弱さ無くして、存在しえないということ。


ブレないように鍛えることをもうやめて、ブレてもいいやとすることの強さったらない。 '何も起こらないこと''よりも、'何が起こってもいい''と思えることほどの安心ったらない。


できないこと、達成してないこと、解決してないこと、変わらないことが、残念ながら私にはまだまだあるけれど、今の私は以前より確かに安心したり穏やかだったりすることが、とても増えている。


問題は解決しなくても、穏やかでいられるんだ。

何かを達成してなくても、安心できるんだ。


知らなかった。


変わらず弱いままの私だけれど、ヨガの実践は私を生きやすくしてくれているみたい。



photo by  小澤義人


2018/3/2 記

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